「ちょ、ちょっと待って」

「ん?」

「……目、閉じるから」




wait a minute




目を開けたままのキスは、ときめきよりも気恥ずかしさの方が先に立って。

目の前の彼に心乱されて、その暖かないざないに押し流されるのを躊躇ってしまう。



でも、そんな風に思ってしまうのはきっと私だけ。

それが少しだけ悔しくて、わざと焦らすように彼を押し止めた。



「……どうかしたか?」



間近で捉える彼の瞳に、見上げる私の顔が映り込んでいる。

頬を染め、軽く眉を寄せたその顔は、見知らぬ他の誰かのように心細げで

そして少しだけ艶めいて見えた。



こんな顔をしているの? あなたはいつも、こんな私を見ていたの?



羞恥と戸惑いを抱いたまま、恥ずかしさに上げていた目線を逸らす。

その理由を問いかけるように、穏やかな彼の目が私を覗き込んだ。



物言わぬその眼差しは、私の心の襞までも全て見透かしているようで……

それに抗える術などないのだと改めて知り、甘美な敗北に身を任せるため

黙って瞼を閉じた。










触れ合った唇に、柔らかなぬくもりを感じる。


一度離れて、もう一度。





息つく暇もなく落とされるそれは、強がりな私をゆっくりと包み込んでいく。

「優しいキスが一番好き」

いつかそう話していたのを、彼は覚えてくれているのだろうか。


そんなことを考えながら、離れることが名残惜しいと

さっきまでとは矛盾した想いが胸に込み上げる。



蝶が蜜を求めるように、大地が雨を欲するように、もうこの唇しか欲しくない。



これ以上心乱されるひとなど、出会えるはずがないのだから……



めぐり会えた奇跡と、まだ見ぬ未来に感謝しながら





腕を回した彼の首を、強く抱き寄せた。






yes to to toのkanataさんにうちにあるイラストを元に 書いて下さったという
SSを頂いてしまいまし…た……!oh…god……!!(?)
こんな未来が待っているならきちんと…描いておけばよかった…(ガクガク)
フフ…御剣さんと冥さんの見事なまでのラブぶりに、
顔がほころびっぱなしです…ムッハー…
自分の絵が元…と思うとなんだか…照れくさい…?というか、
申し訳ない(?)というか…うーん
こんな立派なお話が生まれてきてくれて…
恐縮というか…なんと言っていいのか…うー…ん(ぶつぶつ)
有り難いですね。…有り難いなあ。しあわせだなぁ…。
せっかくですので元になった絵とうっすらとですが一緒にしてみました…
kanata様、素敵なお話を本当に有り難う御座いました…!!(深々)

2006.4.4(に頂いておりました)




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